「あっそ。で、何?」



本当は、心配してくれてたんだから、こんなこと言っちゃいけない。



でも、私の話を聞いたら、愛璃は軽蔑する。



そう思うから、最初から頼らない。



頼ったらダメなんだ。



どんどん崩れていってしまうから。



『何?じゃないよ!どうして、ずっと、休んでたの?もう夏休みだよ!?』



「そんな事知ってる。行きたくなかったら行かなかっただけ」



『緋結はそんな事で休んだりしない!何があったの?』



愛璃は鋭い。



そう簡単には、電話を切らせてくれないらしい。



「何も無い」



私の中で、愛璃と言う存在が鬱陶しくなってきた。



『そんな事無い!今すぐ、緋結の家行くから、家にいてね!!』



--ブチッ



愛璃が一方的に電話を切った。



私のケータイにはツーツーという機械音が聞こえるだけ。



面倒な事になった。



どうしよう。



家を出るしかない!