やっぱり、愛璃だったんだ。



でも、来るって言ってた時間より30分も早いよね。



頭の中でぐるぐる考えを巡らせながら、目的の玄関へと向かった。



「緋結、おはよ!」



テンションの高い愛璃の声。



「おはよ。来る時間早くない?」



それに比べて、私の声はテンションが低い。



「あ、それは、緋結ならまた、シンプルな白のTシャツに黒のショートパンツとか、そんなの着てきそうだったから、早く来たんだよ」



おせっかいな。



今日は、オシャレしようと思ってたわよ。



心の中で毒づくけど、愛璃に伝わる訳もなくて、愛梨は笑顔で『お邪魔しまーす』と言って、家の中に入って来た。



「さ、緋結の部屋に行くよ」



愛璃は笑顔で私の腕を引っ張り、私の部屋へと急ぐ。



階段を大きな音を立てて上っていく愛璃は楽しそう。



そんな姿を見て、私は安心した。



愛璃も唯人が死んだ場所へ行くんだから、暗い顔でもしてるかと思った。



階段を上り切って、私の部屋に着くと、私のクローゼットからあらゆる服を出し始めた。



「勝手に出さないでよ」



ポツリと呟いた言葉は愛璃には届いてない。