「唯人を殺した!って怒ってたのに?」



私は意地悪を言ったつもりだったのに、愛璃には怒ってるように見えたらしい。



「わわわっ!怒らないでよ!本当にごめんなさいって!あの時は血が上ってカーッってなっちゃって、冷静に考えられなかったの!ごめんなさいぃぃ!」



その言葉に私は小さく笑った。



ん?



笑った?



周りのみんなも固まってる。



「ひゆりん、笑った?」



「今、笑ったよね。あたし間違ってないよね」



「沙良も見たよ。小さくだけど、クスッって笑った」



「私が笑った?」



「「「うん....」」」



暫しの沈黙が続く。



その沈黙を破ったのは愛璃だった。



「緋結ーー!!」



愛璃がガバッと抱きついてくる。



今日、何度、抱きつかれただろう。



そんな事をボーっと考えてる間にも愛璃達の喜ぶ声は聞こえてくる。



「やっと........笑ってくれた」



泣きながら、笑う愛璃。



本当に心配してくれてたんだと、改めて実感する。