鳥籠の中の少女

「今でもリスカだけは止められないんだよ!?酷い時よりは減ったけど、1ヶ月に1回と言っていいほど、リスカしてるんだよ!?」



その言葉に私は優しく返す。



表情に表せない分、言葉に思いを乗せて。



「いいんじゃない?リスカしても。それで、沙良ちゃんが生きていけるのなら。死ぬよりずっとマシだと思うよ?」



私のあまりにも優しい口調に皆が驚いた。



沙良ちゃんは膝の力が抜けたのか、座り込んでしまった。



「だから、言ったでしょ?沙良。緋結は壊れた。でも、根本の性格は変わってないから、軽蔑しないって」



愛璃が駆け寄り、優しく諭す。



其処で初めて、沙良ちゃんは泣いた。



「正直、話すのは怖かった。結局は軽蔑されるんじゃないかって...............ありがとう」



泣きながら嬉しそうに話す、沙良ちゃんは菊の花が咲いたようで綺麗だった。



「軽蔑なんてしないわ。其処まで追い込んだ人達なら軽蔑するけどね」



私は沙良ちゃんに歩み寄り、座って、ハンカチを差し出した。



「涙拭って」



私の言葉にコクリと頷いた沙良ちゃんは私のハンカチを受け取る。



「沙良ちゃん」



私は優しく、沙良ちゃんの名を呼ぶ。