教室に入ってすぐ、ぐるっと見てみたけど、その姿は見えない。 ホッとしたような、ガッカリしたような。 何か、複雑な気分だ。 「光」 突然名前を呼ばれて、一瞬だけ固まった。 あたしを呼んだのは、宗也くん。 …涼かと思ってしまった。 「おはよ。どうしたの?」 そう言って、宗也くんを見る。 「昨日…」 昨日…? あっ…すっかり忘れてた。 宗也くんに、泣いてるところ見られたんだった…。