算数の時間の時。


「あっきー」


後ろの席の桃香が俺の名前を呼んだ。

俺はいつものように後ろを振り向いた。


すると桃香の隣の席の男子が


「そいえばさー、前から思ってたんだけど、なんで桃香ってあきらのこと"あっきー"って呼ぶわけ? 女子で桃香だけじゃん、そう呼ぶの」

「それは…」

俺は黙ってしまった。


「お前桃香に好かれてんじゃ~ん。もしかしてお前も桃香のこと好きだったりしてぇ~」



「は? そんなわけねーじゃん」

「じゃあ嫌いなんだ?」



「桃香なんて嫌いだよ」