両目からスッとこぼれた涙は冬服から夏服に代わったピンク色のシャツを濡らした。 「ご、ごめんね。・・・今日は帰るっ。」 「ちょっとま---。」 手を伸ばしたがその手は空気をつかんだだけだった。 由宇はそのまま傘もささずに走っていってしまった。 「由宇・・・。」 なんとなく悲しい気持ちで直から受け取った傘をさして家への帰り道を歩いた。