「菜々ちゃん!」 「郁斗たちと何してたの?」 さっきの光景を見てたのか、不思議そうに聞いてくる。 「い、いきなり腕掴まれただけだよ…っ!」 バクバクなる心臓を落ち着かせようと呼吸を整える。 「腕?いきなり掴むとか意味分かんないね」 「そんなことより怖かったよー」 「別に怖くないよ」 ぎゅーッと菜々ちゃんの腕に絡み付く私に苦笑した。 でも、本当に何だったんだろ…? そんな些細な出来事から日常が変わり始めた。