「あ、あのっ…」 言葉を発しようとした時、スカートのポケットから軽快な音楽が流れ出した。 「スマホ鳴ってんぞ?」 「…ご、ごめん」 ポケットからスマホを取り出し確かめると、菜々ちゃんからのメールだった。 「菜々子?」 「うん」 「そっか、帰るか」 「うん」 屋上から校舎内に入っていく瀬野くんの後ろを着いていく。 「じゃあな」 「う、うん」 下駄箱に向かって歩いていく瀬野くんの背中を見つめる。 は、初めて、男の子とちゃんと喋った…。 心臓がドキドキと鳴り止まない。