「あれ…?」 何か落ちてる。 瀬野くんの机の横あたりに四角いケースが落ちているのを見つけた。 定期だ。 定期ないと困るよね!? どうしよ、追い掛けて渡すべき? でもあの集団に声かけるの怖いな。 「いた」 結局、追い掛けて来ちゃったよ。 下駄箱に向かいながら、楽しそうに盛り上がる雰囲気に入っていけない。 でも定期渡さなきゃダメだよね? あぅー、緊張する! 「あ、あのっ…!」 バクバク鳴る心臓に負けるぐらい小さな声。