月夜の天使

夕暮れの帰り道。

美織は相変わらず十夜の話に夢中だ。

加奈は美織の様子を探り続ける。

アザなんて見えるところじゃなきゃ、確かめようがない。

ふと、美織が悲しげな表情を見せた。

「加奈先輩。十夜先輩とつきあってるんですね」

「ああ、今朝一緒に登校した噂聞いたのね?違うのよ。彼とはほんとにただの友達」

そう言うと突然、美織が泣きだした。

「加奈先輩。嘘つかなくていいです!美織、わかってるから。十夜先輩は加奈先輩が好き。悲しいけど、美織は加奈先輩でよかったって思うの。他の誰かだったら美織、耐えられないもん」

「美織ちゃん・・・」

恋する気持ちは痛いほどわかる。

美織ちゃんも、つらいのよね・・・。

加奈は泣きじゃくる美織の肩に手をかけた。

「・・・?」

少し下を向いた美織の後ろ髪の隙間から首筋が見える。

加奈は自分の目を疑った。

美織の首筋に、青いアザ。

その形は・・・満月に限りなく近い!

「うっ!」

美織が突然苦しみだした。

加奈は慌てて美織を覗き込んだ。

「美織ちゃん、どうしたの!?」

「加奈先輩。苦しい。美織、もうだめかも・・・」

美織はその場に倒れこむと意識を失った。

どうしよう!?

どうしたらいいの!