月夜の天使

「ちょっと、面白いものやってるよ!」

放課後、加奈が帰ろうとしたその時、教室に走りこんできた女子の黄色い声が教室中に響き渡った。

「面白いものって!?」

清香が嬉しそうに駆け寄る。

「剣道部!主将の須藤十夜に挑んでる1年がいるの!しかも部員じゃないし、しかも、女なんだよ~!」

「え~!!」

クラス全員が驚きの歓声をあげ、あっという間に教室はもぬけの殻になった。

「加奈、須藤くんだよ。観にいこう!」

「うん、清香、嬉しそうだね…」

清香の勢いに押されて加奈も一緒に廊下を走った。

剣道部に行くのは久しぶりだった。

そういえばしばらく瑞樹の試合を見ていないな、なんて思いながら清香の後を追う。