月夜の天使

「瑞樹!」

二人で月を見上げたいつかの公園。

雨の中、振り向く人影が見える。

傘ももたずに、向かいあう2つの影。

美しい、その瞳。

雨に打たれて光る、その髪。

凛とした、その唇。

全てを包み込んでくれる、その温かい胸。

瑞樹・・・なんて綺麗なの。

「加奈・・・」

加奈を見つけた瑞樹は、寂しげに微笑んだ。

きゅ…んと、胸が締め付けられるような音がした。

瑞樹のこんな切ない表情初めて見た。

「瑞樹、あなたは誰?」

誰であろうと、私はあなたをアイシテイル。

加奈の意識のずっと奥、いや、無意識の中の声・・・。

それは、前世からの声なのか。

『生まれ変わっても、あなたを愛するわ』