月夜の天使

瑞樹の永遠の命が邪気たちに食われようとしている。

誰か、助けて!

瑞樹を助けて!!

私の再生能力は今、凛音にしか働かない。

瑞樹を助けられない・・・!!

「瑞樹!!」

十夜が瑞樹を助けようと走り出す。

「十夜!!来るな!!詩苑一人で行かせるわけにはいかないんだ」

十夜は瑞樹の決意の顔を見て、カナンを振り返る。

そして、ひざまづき、カナンを強く抱きしめた。

「カナン、見るな。瑞樹はもう止められない」

そんなの嫌・・・!!

「十夜・・・私の封印を解いて。そうしたら、奴らは私の魂を食いにくるでしょう?私の魂が何よりも欲しいはずだもの。瑞樹を助けられるかもしれない・・」

「カナン・・・」

「ね?みんな一緒に還ろうよ・・・」

カナンは肩を震わせながら泣き続ける。

「待て!詩苑!!」