月夜の天使

凛音がふっと微笑んで、両腕を抑えられている私を見た。

「そう、そしてそれがカナンへの復讐になった。私が愛を知らずに育ち、そして母であるカナンの愛する人を奪うように仕向けた。私は、母の策略にまんまと乗せられ、愛してもいない瑞樹に愛を告白した・・・全てルナの復讐のために」

そうか・・・あの時。

以前に部室で凛音と瑞樹がキスしていたのは、凛音の復讐だったんだ・・・。

「私はこの舞台で、あなたたちに見せ付けてやりたかった!!母の痛くて切ない叫びを!そして・・・そして、永遠に人を愛すことが叶わなくなった私の叫びを!!」

永遠に愛せない・・・!!

目眩がした。

人を愛せない永遠の命。

それはどんなにつらく、やり切れない長さだろう・・・!!