屋上に来ると、秋のわりに今日は暖かい日差しが照りつけ、晴れの学園祭を祝ってくれてるかのようだった。
「加奈、上から校庭を見てみようよ!みんなの張り切ってる姿見れるよ!」
清香はまるで子供のようにはしゃいでいる。
こういうところが、好きなんだけどね。
清香についていこうと歩き出すと、目の端に何か人影が映り思わず振り返る。
その人物もこちらを見ている気配を感じた。
目が合う。
少し驚きの表情でこちらを見ている2人の影。
凛音と詩苑。
二人は屋上のフェンスに寄りかかり何かを話していたような雰囲気だ。
凛音・・・!
凛音は加奈の視線から目をそらさずゆっくりとこちらへ歩いてくる。
18年前に抱いていた娘の顔が思い浮かぶ。
無邪気な凛音の顔。
今は・・・何事にも揺るがされない芯の強い女性の顔。
「加奈さん」
凛音の美しい歌声そのままの美しい声が加奈の名を呼ぶ。
「あなたは・・・私を思い出したかしら?」
「え?」
「あなたの今の表情、全てを思い出し、覚醒したように凛としているから・・」
凛音は表情を変えずただじっと見つめる。
「ええ。あなたと詩苑のこと、全て思い出したわ」
ふっと笑みを浮かべる凛音の顔はとても美しく儚げだ。
「そう。なら、私もあなたに伝えることがある」
凛音の口の端がかすかに悔しそうに歪む。
「加奈、上から校庭を見てみようよ!みんなの張り切ってる姿見れるよ!」
清香はまるで子供のようにはしゃいでいる。
こういうところが、好きなんだけどね。
清香についていこうと歩き出すと、目の端に何か人影が映り思わず振り返る。
その人物もこちらを見ている気配を感じた。
目が合う。
少し驚きの表情でこちらを見ている2人の影。
凛音と詩苑。
二人は屋上のフェンスに寄りかかり何かを話していたような雰囲気だ。
凛音・・・!
凛音は加奈の視線から目をそらさずゆっくりとこちらへ歩いてくる。
18年前に抱いていた娘の顔が思い浮かぶ。
無邪気な凛音の顔。
今は・・・何事にも揺るがされない芯の強い女性の顔。
「加奈さん」
凛音の美しい歌声そのままの美しい声が加奈の名を呼ぶ。
「あなたは・・・私を思い出したかしら?」
「え?」
「あなたの今の表情、全てを思い出し、覚醒したように凛としているから・・」
凛音は表情を変えずただじっと見つめる。
「ええ。あなたと詩苑のこと、全て思い出したわ」
ふっと笑みを浮かべる凛音の顔はとても美しく儚げだ。
「そう。なら、私もあなたに伝えることがある」
凛音の口の端がかすかに悔しそうに歪む。


