月夜の天使

ザザ・・・ン。

波の音が聴こえる。

「カナン、ここが俺たちの生まれた場所だよ」

闇に包まれた海と月。

太古から変わらず魅かれあう魂と魂。

ワタシの魂が魅かれあうのは・・・。

「カナン」

闇から月の光を浴びて浮かび上がる影。

「ミズキ」

トオヤがはっきりとその人の名を口にする。

その腕には・・・リオン!!

「リオン!!」

カナンはミズキに向かって走り出す。

「リオン、よかった!」

リオンを抱きしめ涙するカナン。

幸せそうな眠り顔のリオン。

「ミズキ、リオンを連れてきてくれてありがとう」

トオヤがミズキに礼を言い、リオンの頭を撫でる。

ミズキは微かに口の端を緩ませ微笑んだ。