月夜の天使

『カナン
 
 僕は君に会わせる顔がない。でも、もう一度だけ会ってほしい。シオンから君を奪ってトオヤに引き合わせたのは僕だ。リオンがさらわれてしまったのは僕のせいだ。僕がシオンを怒らせた。今夜必ず「僕達の生まれた場所」にリオンを連れて行く。トオヤと来てくれ P.S 絵は君のために描いた。君とリオンの幸せのためにこれを送る』

ミズキ・・・。

「カナン、ミズキを信用しないわけじゃないが、君が行くのは危険だ。俺が行って・・・」

「ワタシ、ここに行く!」

「カナン?」

ドクン、ドクン、ドクン。

嫌な予感がする。

でも、ワタシは行かなければいけない。

月の鼓動が聴こえるわ。

月が、リオンがワタシを呼んでる。

「会いたいの、リオンに少しでも早く。リオンは必ず連れてもどる」

月がどんな運命をワタシに与えようとも、構わない。

リオンは必ず連れてもどる!!