月夜の天使

カナンはカオリに言われるままに、『天使の泉』へ向かう。

4年間、あの悪夢が甦り、一度も訪れることができなかった場所。

「カナン、おかえり」

その場所には、トオヤが立っていた。

『占いの館・天使の泉』

看板には、そうあった。

「1年前にカオリが建てたんだ」

カオリさんが・・・。

「そして、今は俺といずみがここに住んでる」

「い・・ずみお姉ちゃん?」

キィ・・・。

『天使の泉』の扉が開く。

彼女はカナンの瞳をその強い眼差しで見つめる。

黒くて長い髪に赤い服を着たその身長1メートルほどの子供はじっとカナンを見つめ、ニコリ、と微笑む。

「やっと来たわね、カナン。ここに来るように言ってたのになかなか来ないんだもん」

その笑顔がいずみの笑顔と重なり、カナンは子供をまじまじと見つめる。

「信じられない?私、月野いずみよ。4年前にカオリが産んだの。今は、4歳よ」

その大人びた4歳に、カナンはただ呆然と立ち尽くす。