「ミズキ!」

トオヤとカナンが駆け寄る。

ミズキは青の光に包まれ、恍惚とした表情を浮かべる。

「ミズキは怪我はなさそうだな。ミズキ、姉さんは・・・」

そう言いかけたトオヤの顔が一瞬ゆがむ。

いずみはヤケドを負っている痛々しい顔を上げ、カナンを見つめる。

「カナン、あなたが無事でよかった。心配しないで。私も・・・月の一族。魂を滅ぼされない限り、私は甦ることができる。私の魂の鍵はトオヤに預けてあるから大丈夫よ。カナン、カインが・・・ここへ来たわ・・」

「カインが!?」

いずみの表情が苦しそうにゆがむ。

「私は死んでも、すぐに甦る。カナン・・・また、ここへ来るのよ・・・」

いずみの苦しそうな表情が消え、ゆっくりと天使のように安らかな表情に変わっていく。

「おねえちゃーん!やだ!いかないでー!!」

カナンの悲鳴が夜の闇にこだまする。

その隣ではひっそりと、月見草が純白の天使の顔を見せ始めていた・・・。