月夜の天使

「加奈から離れろ!!」

詩苑の唇が加奈に触れようとしたその時、

十夜が息を切らせ、音楽室の入り口に入ってきた。

「トオヤ・・・。18年ぶり・・・かな?」

「シオン、お前の名を聞くまで気づかなかったよ。お前もあのあとすぐに再生したのか」

「再生能力は君たちに劣らないよ」

「加奈をどうする気だ!?」

詩苑は静かに微笑み、加奈の前にひざまづいた。

「カナン、今度こそ完全に君を手に入れる」

開け放たれた窓から、強い秋風が入ってくる。

ビシュ!

風が詩苑の顔を切りつける。

詩苑のメガネが飛んだ。

「ふ・・十夜、お前とはまたやり合わなきゃいけないようだな」

青い瞳の十夜は、加奈を抱きしめ、詩苑をにらみつけた。