「すごいね、宇野くん。ホント鋭い」




「乃愛さんは分かりやすいので。旦那さんにも言えないようなことですか?」




宇野くんはグラスを拭きながら言った。




「あ〜…うん…。どうなんだろ」




あたしは思わず苦笑いを溢す。




どうしよう…。




言えないよ…。
隣人が変な人だなんて……




「1人で溜め込むのは良くないですよ。ちゃんと旦那さんに話さないと」




「……うん…。そうだよね…」




宇野くんの言ってることは間違ってない。




むしろその通りだ。












けど…




あたしには言い出せる勇気がないんだ。




これじゃあ、ただの弱虫だよ。