着替えてメイクをする。 「よっし…。いいかな?」 あたしは身だしなみを確認して、部屋を出る。 鍵を掛け、歩き出そうとした時―― 「長谷川さん」 ビクッと体が震えた。 「い、池田さん…」 やだ…。 どうしているの…? 「どこか出掛けるんですか?なら送りますよ」 ニヤニヤしながらあたしに近付く池田さん。 「いえ、結構です」 あたしは怖くなって早歩きをする。 「待って下さいよ、長谷川さん」 いきなり池田さんに腕をガシッと掴まれた。 「やっ……!」 あたしは咄嗟にその手を払った。