「あ、いえ…。なんだか凄く可愛らしい方だなって思って……」
「え……?」
あたしは思わず顔を歪めてしまった。
か、可愛い…?
なんなの、いったい…。
初対面なのに気持ち悪い……。
池田さんはニヤニヤと不適な笑みを浮かべた。
「……旦那さん、今いないんでしょ?だったらウチに来ませんか?お茶でも……」
「やっ…け、結構です!!」
池田さんに腕を掴まれそうになって、あたしは咄嗟に離れる。
「すみません、この後仕事なので。失礼します」
あたしは池田さんから逃げるように玄関の扉を閉めた。
何…?
池田さんって、なんか普通の人じゃないような気がする。
しかも旦那さんって…。
どうして優人さんのこと知ってるの?
おかしいよ…。

