「乃愛が…急に俺の傍から離れていく夢を見たんだ」
「あたしが…優人さんから?」
優人さんはコクリと頷く。
「情けねぇな。夢なんかで泣くとかさ」
そう言って軽く笑い、優人さんはあたしの背中を撫でた。
「こうしてちゃんと近くにいるのに…どうして不安になんかなるんだろうな。」
「優人、さん…」
彼の繊細な指の動きに、体が素直に反応する。
すると優人さんは優しく笑い、背中を撫でていた手をスルリと腰に回した。
「乃愛のことが大事すぎて…たまに分からなくなる。今、起きていることが現実なのか」
そう言いながら、とても寂しそうな顔をする彼。
あたしはたまらなく彼が愛しくなり……思わず、自分から彼の唇にキスをした。
「乃愛…」
優人さんは驚いたようで、目を丸くしてあたしを見る。
あたしは彼に優しく微笑み、再びキスをする。
甘くて、深いキス。

