「乃愛……」
優人さんは弱々しく、あたしの名前を呼んだ。
どうしてだろう。
優人さんは男の人なのに、たまに守ってあげたくなる時がある。
優人さんはいつもあたしを守ってくれるけど…
守られてばかりじゃ、嫌。
あたしだって……優人さんを守りたい。
あなたを支えたい。
「優人さん…。何かあったの?悲しいこと?」
あたしが優しくそう聞くと、優人さんは小さく震え始めた。
「いいんだよ、乃愛…。大したことじゃな……」
「大したことなくてもいいよ?あたし達、夫婦でしょ。なんでも話してくれていいんだよ」
あたしは自分の胸に、彼の頭を引き寄せる。
お互いにまだ、何も身にまとってない今。
だからこそ…素直になれる気がする。
優人さんとちゃんと向き合える気がする。

