まだ、こんなにも弱いだなんて…。


こんな弱い自分がつくづくイヤになる…。


どうしていつまで経っても忘れられないの…?


まだあの人を想ってるから?


あの人が戻って来てくれると心の何処かで思ってるから?


ううん、そんなはずない…そんなはず、絶対にない。


だけど、こんな風になったのは本当に久しぶり…あの日以来。


ずっと思い出さないように奥底に仕舞ってたから。


だから、こんな風になったのはあの人に裏切られた日以来ね…。



夢鈴は窓の外を見て、

「拓也…」

と無意識にある人物の名前を口ずさんでいた…。