「勇矢?」



一瞬顔を曇らせた勇矢。


それを私は見逃さなかった。


だけど、直ぐに普通に表情を戻しちゃったから本当に一瞬だったんだよね。


その表情の意味を知ることになるのは大分先のことだった……。



「あのね、私ね、2人みたいなカップルに憧れてるの。

…いつか、出来たらだけどね」


「夢鈴…」


「あっ、ごめんね。変な夢みたせいかな?また変なこと言っちゃったね」


「また見たのか?あいつのこと…思い出したのか?」


「う、うん…。あっ、でも大丈夫だよ!!だから、そんな怖い顔しないで?」


「だけど…」