「…そっ、か…(そんな悲しそうな顔してるのに何でもないって…。

もう少し頼っていいのに…)」


「うん。お弁当、食べに行こう」


「うん…」


「ほーら、勇矢も!!」


「あっ、あぁ」


「もう、何2人ともボーっとしてるのよ。…私は本当に大丈夫だから。

ほら、早く早く!!」


そう私は2人を急(せ)かして、いつも食事している屋上へと向かった。



先に歩いて行く夢鈴の後ろ姿を2人は顔を見合わせ、

バレないように小さく溜め息を吐くのだった。


2人は気付いていたのだ…夢鈴のその笑顔は作り物にすぎなかったことを。


「ゆり、夢鈴!!」