と勇矢が由茉の肩に手を掛け、抱き寄せようとした。


だけど、由茉は恥ずかしがりやだから、そんなことを許すはずもなく、

すかさずその手を叩き、振り払った。


「勇矢!!いつも言ってるでしょ!!こんなところでやらないでって!!」


「ちぇっ―…」


「(あ~、また始まったわ…。いつもの夫婦喧嘩。

まったく毎回毎回、よくやるわよね~)」


そんなことを考えながら私は2人を残して、スタスタと歩いて行く。


私はいつもこうしてるの。


あの2人の夫婦喧嘩なんかに付き合わされるのなんてゴメンだもん。


「あっ、ちょっと夢鈴~!!」


と先に歩いて行く私に気付き、走って追い掛けて来る由茉。