「で、どれ?」


「なんか泣ける奴」


「アバウト………」





しょうがないので、超長い奴を数冊渡す。





「さんきゅ。    ………にしても、お前」





ぐるっと部屋を見渡してから俺の顔を見る馬鹿アニキ。





「何も夏休みの最終日に部屋の片付けをやらなくても……」


「俺だってほんとはやりたくなかったよ!」





そう……兄貴の言うとおり本日は、8月31日————夏休み最後の日なのでありました。





ほんとは、もっと早くに掘り出す予定だったのにこんなに遅くなってしまったのには理由が有る。