「え~?俺のこと苦手な感じ?俺、結構女の子にモテるんだけどなぁ」
「……は、はぁ……」
どう返したらいいか分からず、私は視線を迷わせる。
「あ、でも和泉には負ける。アイツ、完璧なんだもん。ずりーぜ」
「へ、へぇ……」
それは転入一週間目の私にもすぐに分かった。
授業でも難しい質問でもすぐに答えちゃうし、なんでもサラリとこなしてしまうような雰囲気を持っていたから。
すると、和泉君の周りの女の子がいきなり話に割り込んできた。
「そうよ!刹那様は、完璧すぎて素敵なんだから!」
「そ、そうなんだ」
目をキラキラさせて話す彼女に戸惑いながらも、私は嬉しかった。
転入してから、女の子に話しかけられたのなんて初めてだったから。

