「僕のせいで、天宮さんまで濡れちゃったね」
「ううん。大丈夫だよ」
「ごめん」
今にも泣きそうな顔で笑う和泉君。
……そう。
いつだって、どんな時も、和泉君は笑っている。現に今だって。
それがなぜなのか、分からないけれど私はそんな彼が悲しいと思った。
「家来る?」
ここからだとまだ近いし、お母さんもいる。
そう思って提案した。
「お母さんいるから、温かいスープでも作ってもらおっか?」
「!!!」
私がそう言うと、和泉君は目を見開かせた。
「ごめん、いいよ……。僕は、行きつけのホテルがあるから、そこへ行く」
「え!?ホテル!?」
お金持ちだって聞いてたけど……行きつけのホテルなんてあるの!?

