「姉貴、傘忘れんなよ」
玄関で、海斗が私の、ピンクの傘を渡してくれる。
「ありがとう」
ちょっと反抗的な弟だけど、心根は優しくて気を遣える良い子なんだよね。
「忘れっぽいからな、姉貴は」
「もう!こんなに降ってるのに忘れるハズないでしょ」
……いつも、一言多いけど。
「じゃあ、俺友達と学校行くからな、気をつけろよ。滑るなよ!!」
「滑らないわよっ」
そこまでドジじゃないってば!
海斗は玄関のドアを開けてくれて、そのまま友達の方へ向かった。
「さぁ……私も行くか」
お弁当も、クッキーも、教科書も準備万端。
私は肩にバッグをかけて、歩き出した。

