ザァァァ......
「わー……すごい雨」
窓を開けると、空は少し暗くて雲に覆われている。
「梓ーぼーっとしてないで、早くしないと遅刻するわよ」
「ふぁーい」
いつもの朝。
お母さんの作ってくれた朝食をパクリと口にする。
ふわふわでちょっとシナモンがかかったフレンチトースト。
生クリームが上に乗った甘い、ココア。
私の朝の定番。
私の愛犬のココアも、お母さん特製の甘いココアが大好きだったから名付けたんだ。
「姉貴って、そんなゲロ甘なのいつも食べてバカじゃねぇの。今日の朝も、またクッキー作ってるし」
幸せな気分をぶち壊しにする1つ年下の私の弟、海斗がコーヒーを飲みながら嫌味を吐いた。
私と真逆な、はっきり言う性格で、前の学校でも人気者だった。
だけど私にはすごく意地悪でこうやっていつも嫌味を言ってくる。
小さい頃はものすごく可愛くて優しかったのに~……。
残念だよ、お姉ちゃんとしては。