……でもちょっとだけココアに感謝している自分がいた。

だってあの時ココアが吠えてくれなかったら、
恥ずかしくてドキドキして、私おかしくなってたかもしれないもん。




「さっきは怒ってごめんね、ココア」



それをココアは分かって、吠えてくれていたのかもしれない。
そう思うと、謝らずにはいられなかった。


クゥ~ン?



ココアはふさぎこむ私を心配そうに見つめてくれた。



「もう……ココアって本当に優しいんだね。ありがとう」


私は家に帰る途中、ココアをギュっと抱きかかえながら、軽くキスをした。