どうって言われても、口ごもってしまう俺に萌はさらに質問を投げかける。

「私が吾妻くんとクラスの男子達。どっちが大切だと思ってるの?」


その言葉の中には多少の苛立ちも感じられ。
萌の気持ちも、俺の気持ちもよく分からなくなってしまう。



言ってしまえば楽になるけど。それが萌の重荷になるのは嫌だ。

まあ、それは……単なる俺の逃げなんだけどさ。



「萌、別れよっか。」



萌から離れて、衝動的に告げてしまった言葉。
俺自身が見えねえし、よく分かんねー。

でも。そんな俺に萌はリズム良い足取りで俺に近寄ると。


「ほんとーに、いいの?」


間抜けな返事をしてしまう俺にまた艶やかに笑うと


「私と別れちゃって、ほんとーにいいの?」

「私と他の男子が腕組んだり、キスしたりしても。吾妻くんはいーんだ?」



俺の心の答えなんか見透かしてるように。わざと言葉を間延びさせて上目で俺を見つめる。