「一応荷物検査をさせましょう。 手掛かりが出てくるかもしれないし、三枝が持つ写真も気になります」 三枝のカメラは、現場の写真を撮ったために警察に預かられているのだが。 「あ、なら、ホテル内のゴミ箱もお願いします」 「ゴミ箱?」 「ええ。 一条氏の密室のヒントが見つかるかもしれませんから」 「わかりました」 十和田は頷いて近くの捜査員に声をかけた。 彼方ペースに、違和感はないらしい。 俺ここの県警に移動しようかな…と上司の顔を思い浮べていた彼方である。