「いらっしゃい。
あらっ?結羽(ユウ)ちゃんじゃない!久しぶりねぇ。
元気にしてる?」


「はいっ、元気です!」


それなりに
笑顔で返事はしたけれど

泣いて腫れた目に
クマまで出来ていて…
髪はボサボサ。
背中には異常に大きな荷物。

どう見ても普通じゃない。


そんな私に気付かないフリをしたのか、敢えて何も触れられずに愛梨の部屋に上げられた。



「お〜う結羽久しぶり〜!」

元気印の愛梨は
相変わらずの様子。

でも、さすがは親友…

すぐに私の異変を察したみたい。


「泣いた?」


「……」


「泣いたでしょ」


「……うん…ちょっと」


こんなときすら
意地になって"ちょっと"なんて……

ホント言うと…人生で一番泣いた。

まったく。
本当にクダラナイ性格。


「しかもあんまり寝てないでしょ!酷いクマ!!」


素直じゃない私の代わりに…愛梨が見抜いていってくれているよう…。


「あー、また亮くんと喧嘩した?そんで寝不足になったってとこね。

…で?その荷物は?」


次から次へと質問責めを食らっているのに、何一つまともに答えられていない。