小さな溜息を吐くように言った穂高は、駄菓子屋に足を踏み入れた。

 その影に気付いたのは高志だった。

 今では高校こそ違うが、高志はあずみと同じく幼馴染だ。

 普段はド近眼でメガネをかけており、傍目には秀才っぽく映るらしいが、中身は真逆である。

 仲間内では女好きで知られており、ナンパの達人とまで言われている。

 勿論、ナンパをする時は秀才眼鏡を外し口説くのが落すポイントだそうだ。

 実際、顔立ちは整っておりイケメンの部類に入るだろう。

 そんな高志にナンパされた相手にしてみれば、その潤んだ瞳がまたいいのだとか何とか。