ミッドナイト・キャナル

「恋人として潜入協力してくれねぇか」

「!? 僕に泥棒の片棒を担げって!?」

 泉の要請に青年は顔をしかめる。

 しかし──

「! 恋人……?」

 はたと気づいてイエナに目を移した。

 彼女は無言でカップを傾けているが、その仕草がむしろ彼を混乱させる。

 どこか浮世離れしたその美しさは色香を漂わせ、めまいを覚えるほどに健吾の全てを刺激した。

「完璧だねぇ」

 青年の呆然とした表情に泉は彼女を見やり、薄笑いで目を据わらせる。

 それにイエナは肩をすくめた。