「では次だ。なぜ、人を殺す」 「……」 胃液がせりあがってきた。 殺すの単語で今までの死体が再生されたからだろう。 唾を飲み込み、息を吐く。 「忘れられない殺人を忘れるためです」 観念した。ええ、退路を立たれた逃亡犯並みに観念した。 誰にも明かさなかった思いが、紐解かれる。いや、紐なんかで縛っていない、鎖だ。誰にも開封させまいと鎖で縛ったというのに、先生という鍵で鎖は音を立てて崩れていく。