「この住所に行きたいのですが、分かりますか?」 「あ、はい……」 なんだ道を聞きたいだけか、と警戒をとく主婦は差し出されたケータイを取った。 ディスプレイは、住所が書いた文字を映している。 「緑の……ああ、はいはい」 住所ではなく、そちらに身に覚えがあるのか、主婦はケータイを渡すなり、太陽が昇る方面を指した。 「あそこの曲がり角を右に行けば、すぐですよ。そこの車庫あたりに『緑の園』ってプレートがありますから」