棚の中の奥に、さも、切れ味が悪くなったの、捨てようと思ったのだけど、忘れるのよねー、などとお茶目な背景を塗りつけた包丁と化ける。 後処理終了と一息ついたので水を飲もうとした。 失敗。青水玉のカップを床に落としてしまった。取っ手だけが割れるというご愁傷様ぶりを演出していた。 幸い、細かな破片はなく、手でひょいひょいと取り、ゴミ袋へ。カップも燃えると信じているぞ、僕は。 落としたのは指の震えのせいだ。しゃきっとせんかと、冷水を浴びせる。滝を浴びる和尚さんが頭に出てきた。