先生の想いに応えるように、頭に焼き付けるためにも、何より先生が心残りをしないように。
「とても、幸せな人生でした」
その体に腕を回す。
――今まで色んなことがあった。
短い人生で、苦しい思いもしてきたけど、先生や雫。その二人に会えただけで、僕の人生は幸せと言えるんだ。
周りから見ればどうだろうと言われそうだが、僕の幸せは僕が決める。
その僕が今確かに、今までの人生を『幸せ』だと笑顔で言えた。
涙混じりでひどい顔だろうけど、ずっと気分が清々しい。
最高の終わり方。
人生を幸せだと言える死なんて、これ以上に綺麗に死ねる奴はいるだろうか。
だから――もういいんだ。


