「柳葉さんはきっちり大学には通っていますか」
「え……、ああ、ちょっと夏バテで最近休んでました」
実際には心を折られて活動自粛なんだが、そんななんちゃってうつ病を刑事さんに伝えるわけにもいかないだろう。
というか――
「周りにもそう言っているはずですけどね」
重要参考人とはいえ、僕に目星をつけているのはこの刑事さんだ。
動けて聞ける範囲で大学なり近隣住民なりに僕について聞き込みをしているに決まっている。
世間話のはずが、腹の探り合いみたいだ。あー、この刑事さんIQ絶対高いよ。魔法使い先生と肩並べそう。
そこに憎まれ口を挟む僕は怖いもの知らずなんだろうけど。
「柳葉さんに遠回しは通じませんなぁ。かといって率直ならば嘘を返される。まったくもってやりづらいですが、すぐにボロが出ますよ。
あんたの場合は、本人じゃなく周りから埋めていくのが効率的だ」


