確かにゴミ袋の中身の指紋まで拭き取ってはいない。
べたべたと僕の指紋ばかりが出てきて、しまいにはこの服からも出てくるだろう。
完璧な証拠だ。
ただ、残念だ。
「刑事さん。一つだけお聞きしていいでしょうか」
「どうぞ」
「僕は、被疑者ですか、重要参考人ですか」
「……」
刑事さんの顔を見なくても、苦虫を潰したような顔をしているのが分かった。
「……、重要参考人です」
更に苦虫を噛み砕いたかのような低い声。
答えにくいことないだろう。甘く見すぎだ、刑事さんは。確かにはめられたが、決定打をうてない。
「そうですか。なら、僕は指紋採取を拒否します」
「捜査に協力しちゃあ、くれませんかね」
「被疑者ならともかく、重要参考人たる僕から指紋を取るには任意ですよね。だから、言います。拒否すると」


