間違いなく、これは僕の私物だ。
先生と初めて出会った夜に着ていたTシャツ。
暴漢魔を殺した際に、その返り血がついて、ずいぶんと粋なデザインになったものだ。
だが、あれは確かに捨てたはず。なのに、どうして――
「気になりますか」
「何が、でしょうか」
「おや。頭のいいあなたなら、ここで『なぜこんなものを』と、“見覚えないものを見せられた疑問”を言うと思ったのですが」
短時で僕の全容を把握した刑事さんは言う。確かにそういうべきだった。
これでは、見覚えあるから反応しているようにしか見えない。
「でしたら、聞きます。なぜ、これを僕に?」
刑事さんが服をビニールごと掴み、あげた。僕に見せびらかすかのように。


