「刑事さん前で言うつもりはありませんでしたが、疑われるのも嫌なんで、あなたが言う“裏の事情”を話しますよ」
「遠慮せず言ってください」
「ストーカー規制法ができても、実害がなければ対処しないと動かないのが警察じゃないですか。
ニュースで何度も取り上げられてますよ。ストーカーの相談をしたのに、警察は何もせず、結果的にストーカーは相手を殺害。会見で謝る警察は皆口を揃えて、『その時に相応しい対処』はしたともっともらしいことを吐く。
実害がないから動けないことが相応しい対処と言えますか?それこそ被害者が殺される前に、ストーカーを逮捕すれば、誰も泣かずに済んだでしょうに……」
間を置く。
その無能ぶりを怒っているかのように、被害者を慈しんでいるかのように。


