僕の答えに間違いなんかないはずだ。立派に、なぜそうしたと聞く刑事さんの疑問に答えているではないか。
だというのに、真っ直ぐな眼差しが僕の脳から心を射るようだった。
「少なくとも、“自分だけに降りかかる害”であれば、警察に行く気など毛頭ないのでは?」
「どういう意味ですか」
「いやね、柳葉さん。私にはどうも、先ほどの答えが“表面上”にしか聞こえなくて。“その裏にある事情”は何でしょうか」
「……」
まずいな、この人。
かなりの熟練者。見た目に比例して、紛れもない“刑事”だ。
「いくら実害がないと言えども、一ヶ月も続くようなら、さすがに相談もするでしょう。
警察に相談したぐらいで名誉毀損になんてならないのを知っているでしょうし、あまりにも不安なら弁護士にでもいい。
“それっぽい理由”をつけて、竹山の行為を泳がせていたようにしか思えませんねぇ」


